CASE 2 : クリス・レッドフィールドの場合 ( 前編 )
( 雨か・・・)
静かな雨音と共に目覚めたクリスは、ふと考えた。
( クレアはまだ起きてないだろうな・・・)
愛しい妹のことを考えながら身を起こし、いつもの早朝トレーニングを始めるため、パジャマを脱ぎ捨てた
そこには、はちきれんばかりに鍛え上げられた美しい肉体が、佇んでいる。
上腕二等筋、後背筋、腹筋、下腿三等筋
どこを見ても非の打ち所はなく、たとえ銃弾を撃ち込まれても、場所によっては絶えうる可能性は十分ありうる。
そんなクリスの体の中でもひときわ目を引くのは、黒いブリーフの下でそそり立つ男性そのものだった
「おいおい、いくら朝だっていってもそれは立ちすぎだろ?」
そう独りつぶやいて、いきり立つシンボルをなんとか静めると、衣服を身に着ける。
上半身には普通のTシャツ( もちろんミッフィーちゃんのプリントだ )の上から高性能防弾ジャケットを羽織る
ベルトでしっかりと固定し、何気にポーズを決めてみる・・・
( やっぱり似合ってるよ。俺。このジャケットかって良かったぜ )
そんな事を思いながら次へ取り掛かる。下はポケットが大きめのアーミーパンツに鉄板入りのマーチン。
彼にこんな物で蹴られたら一たまりもないだろう。
ひとしきり準備を整えると、地下の射撃場へと向かった。
耳を劈く銃声の中、クリスは苛立ていた。収めたはずの男根がまたもやその鎌首を持ち上げ始めたのだ。
「あぁ!クソッ!!何なんだいったい!!昨日の晩抜いたばかりだろうが!」
そんな事をさけんでも一向にその猛りは収まらず、かえって怒張が激しくなった。
「チクショウ!こうなったら・・・」
クリスは愛用のSAMURAIEDGEを側に置き、大好きなロケットランチャーに手を伸ばした。
そしてそれを構えながら
「ああああぁぁぁ!!クレア!クレアァ!!クゥレアア!!!好きだ、大好きだ!!!愛してるんだぁ!!!!」
・・・いつも彼はクレアへの気持ちが押えられなくなると、暴走する前に止めど無くランチャーを打ち続け、叫び、その昂ぶりを押えてきた。しかし・・・
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁあぁぁああああああああああ」
「うおおおぉぉぉぁあああああぁぁぁあぁああぁ!!も、もう我慢できねぇっ!!!!!!!!」
クリスの中で何かが切れてしまった。
「まってろよクレア!!今行くからな!!」
打ち続けていたロケットランチャーを壁に叩き付け、全力でクレアの元へと駆けていく。
・・・数瞬後にはクレアの部屋の前まできていた
しかしここでわずかに残っていた彼の理性がそのまま部屋に飛び込むのをギリギリで押しとどめた。
このまま部屋に押し入ったりしてクレアをだ、抱いたりでもしたらもう一緒には暮らせない。やめろクリス。こっそりと寝顔を見るだけにしておくんだ!!止まれクリス!)
そう自分に言い聞かせてはいるが、その理性すらも正常ではないことに彼は気づいてはいなかった。
そしてクレアを襲うことを何とかあきらめたクリスは隣の部屋へと入っていった。
クレアの部屋には隣の部屋から入れる隠し扉があった。もちろんクレアには秘密でクリスが作ったものだ。
彼は度々この隠し扉からクレアの部屋へ進入していた。しかし当人がいる時に入るのは初めてだった。
落ち着け、アンブレラの基地に忍び込むくらいの・・・いや、それ以上の注意を払っておけば気づかれる心配はない
( 俺なら出来る。俺は最高。俺に不可能は無い。俺は最高。最高最高最高。故に無敵。
集中だ。俺は最高。最高ですか?最高です。最高です。最高です。)
クリスは心を静め、無心とも思えるほどの集中力で部屋への進入を開始した。
彼が思ったとおり、進入は何の問題も無くすんだ。と。
( おおおぉぉぉぉクレア・・・なんて可愛らしいんだ!!ぐぅ・・・抱きたい・・・ああ!しかし!!)
しかし間違った理性の言うとおり、このまま欲望に負けてしまえばこれからの生きる上での源が断たれてしまう。
彼は考えに考えた末
( じ、自分でやるくらいなら・・・い、いいだろぅ? )
もはや走り出したクリスを止められるものは何一つとしてない。
愛しいクレアを目の前にしておもむろに右手をポケットの中に入れると、手に当たった堅いモノを握り締めると、
当然のように右腕を前後に動かしだした。
( ああクレア、なんていい寝顔で寝てるんだ・・・そのあどけない寝顔に思いっきりぶちまけたい!!)
( もし今おまえが目を覚ましたらどうなるんだ!?こ、このスリルが更におれを、おれをををっ!!)
クリスの目は完全に正気を失っていた。本能に負けてしまったのだ。実の妹の寝顔だけでここまで昂れるクリスはもはや真性だと断言できる。
そんな真性のクリスの動きが急に鋭くなる。
( ぐぅ・・・もう駄目だぁ・・・こんなに早く!? )
ガサガサッ!
「うっ!うぅぅ・・・・・・・・・ふう」
( またパンツの中に出しちまった・・・後で洗わなきゃな・・・クレアにばれると大変だ )
と、すっきりしたクリスが、理性を取り戻し、踵を返そうとした瞬間
バッ!!
突然布団が舞い、銃声と共に強烈な衝撃がクリスを襲った!